◎カウチンセーターが伝説のセーターになる日が近い!?

カウチンセーターはここ数年で日本国内での市場販売枚数が非常に少なくなっています。

当店も今シーズン(2025-26年)は昨年の約3割減、例年の約6割減の入荷枚数になっています。

その理由は原油価格高騰の影響でカウチンセーターを編む毛糸の原材料が高騰して在庫が供給不足になっているからです。

また世界的な経済情勢等の影響で羊牧場が激減していることも大きな理由のひとつです。

今後さらに日本国内でのカウチンセーターの市場販売枚数は激減し、価格は上がり続けることも考えられます。

そしてカウチンセーターの販売は当店のような専門店のみになるかもしれないとこの業界では囁かれています。

実際、今シーズンはカナダの一部のメーカーでは専門店のみの出荷となっています。

更にこのままいくとメーカーが生産を中止して新しいカウチンセーターが市場に流通しなくなるかもしれません。

専門店の当店としては可能な限りカウチンセーターを作り続けていく覚悟ですが、もしかしたら「カウチンセーターが伝説のセーターになる日」は直ぐそこまで来ているのかもしれません。

※※※ そして、ここから重要です ※※※

ここでいうカウチンセーターですが「本物のカウチンセーター」には定義があります。

カウチンセーターに馴染みの薄い方にはピンと来ないかもしれませんが市場には「カウチンセーター」と「カウチンセーター風のセーター」が混在しています。

特に近年の価格高騰で安価なカウチンセーター風のセーターを市場でよく目にします。

もちろん安価でもクオリティーが高い作りで、デザインも素晴らしいものも多くありますが、カウチンセーターの専門店としてはカウチンセーターとカウチンセーター風のセーターははっきりと区別した販売を心掛けています。

カウチンセーターのカウチン(COWICHAN)はカナダのバンクーバー島に住む先住民(カウチン湖畔に住むセイリッシュ族、及びセイリッシュ族に含まれるカウチン族)に由来します。

1900年代初頭にヨーロッパ人からニットの編み方がセイリッシュ族に伝わったのが基本となっていて、白やグレーをベースに動物や幾何学的なデザインを組み合わせたものが編み込まれているのが特徴です。

「本物のカウチンセーター」ということに拘りをもって条件を定義するなら、「HAND KNIT IN CANADA」カナダ製であること、手編みであること、そしてセイリッシュ族(カウチン族)の血を受け継ぐ人達が編み上げたセーターのみをカウチン(COWICHAN)と呼ぶことが出来るのです。

カナダにおいてはカウチンセーターの認定証制度もあり、これが本物のカウチンセーター認定の絶対条件となります。

その他にいろいろな認定条件はありますが、先に述べた三つの条件以外は絶対というものではなく、近年のカウチンセーターではその時代に添った毛糸であったりデザインであったりと、ブランドにより様々なカウチンセーターが存在します。

そのひとつに本来は化学薬品や染料を一切使用していない羊毛本来の自然な色味の毛糸を使用していますが、近年は赤や青に染めた毛糸を使用し編み上げたカウチンセーターもあります。

もちろん毛糸は、全て職人の手による昔ながらの手法で紡いでいるものを使用しています。

また本来は完全未脱脂の毛糸を使用していましたが、羊毛脂でベトベトになったり、羊毛脂独特の匂いが強烈なため、極寒の地で防寒着で着用するには問題無いと思いますが、カジュアルファッションで着用するには少し着こなし難いものとなります。

そのため一度脱脂した毛糸を染色して(または染色しないで)油脂成分を故意にシミ込ませたものを使用しているものがほとんどです。

個人的にはカウチンセーター風のものであっても愛着をもって楽しく着用できれば全然良いと思いますが、カウチンセーター専門店カウチンファミリーとしては、セイリッシュ族、そしてカウチン族の伝統工芸に敬意を表すという意味を込めて、彼らが編み上げたセーターのみを本物のカウチンセーター(COWICAN SWEATER)と呼びます。

本物のカウチンセーターのご購入を検討されている方は今後入手困難になり、価格も徐々に上がってくると思いますのでできる限り早いタイミングで購入しておいたほうが良いかもしれません。

楽しいカウチン生活のお手伝いができること心から願っています。