カウチンセーターの洗濯方法を解説!
縮むのを防ぐ洗い方とは?
■カウチンセーターのクリーニングについて
基本的にはドライクリーニングをおすすめしています。
注意点を守れば水洗いも可能ですが、「失敗した」と言われても責任がとれないので自己責任の範囲で行ってくださいね。
基本的に酷く汚れていなければ濡れタオルで表面を軽くポンポンポンとたたいて風通しの良いところでセーター干しネットに置いて十分に乾燥させ、クローゼットに湿気取りと防虫剤をセットしてカウチンセーターを保管で大丈夫です。
カウチンセーターの毛糸には本来羊毛がもつ脂が含まれているため、ドライクリーニングや水洗いは羊毛脂が抜けてしまうのでできる限り避けたほうが良いです。
カウチンセーターが防寒着として優れているのは、羊毛に含まれているこの羊毛脂(ラノリン)があるからといっても過言ではありません。
毛糸に脂を含んでいるので撥水性と保温性が高いのです。
といっても、その羊毛脂は年月が経つほどカウチンセーターの毛糸の独特なニオイが増してくるため、どうしてもクリーニングをしたいと思う方も多いと思います。
その独特なニオイの元は毛糸に含まれる羊毛脂のニオイなのでドライクリーニングをした場合は羊毛脂が抜けやすく独特なニオイを抑えられることがあります。
ドライクリーニングをすると・・・(まとめ)
(1)羊毛脂が殆ど抜けてしまうのでカウチンセーター自体が多少なりとも軽くなります。
例えば、約1,350g → 約1,270g になります。(当店試験結果より)
(2)本来、羊毛に含まれる、羊毛脂特有の匂いは無くなります。
(3)幾分フワッとした質感になり、羊毛脂がないため撥水性、保温性が悪くなります。
(4)ドライクリーニングしても縮むことは殆どなく、逆に多少伸びることが多いです。
以上、ドライクリーニングをされる場合はご注意ください。
◎羊毛脂(ラノリン)をカウチンセーターに蘇らせる。(有料)↓ にアクセスしてください。
https://item.rakuten.co.jp/cowichanfamily/cowichansweater-processing/
また、水洗いをしたいという方もいらっしゃるかと思います。
水洗いをする際のポイントとして「水温は30℃」がベストというのがありますので、ゴールデンウィーク前後辺りがカウチンセーターを水洗いするのに最適の季節といえます。
基本的にはドライクリーニングをおすすめしていますが、水洗いにチャレンジしてみたいという方のために専用ページをご用意しました。
参考にしていただけると嬉しいです。
カウチンセーターの洗濯方法を解説!縮むのを防ぐ洗い方とは?
■縮みと毛玉を防ぐためカウチンセーターの洗濯は洗濯機ではなく手洗いで。
■揉んだり擦ったりすると毛糸が縮むので十分に注意しながら押し洗い。
■カウチンセーターやニットの干し方は日陰で平干しが絶対です。
●カウチンセーターのお洗濯について・・・
<お洗濯の取扱い注意>
・ウール100%の製品となりますので、基本的には専門のクリーニング店にお出し頂くことをおすすめしています。
・メーカー指定の洗濯方法は、ドライクリーニングのみです。(メーカー指定は通常水洗い不可となります。)
・ドライクリーニングの場合は殆んど縮むことはないですが、羊毛に含まれる脂分(ラノリン)が抜けます。(どの程度なのかはクリーニング屋さんの技術的なことになりますので詳しいことは申し上げられません。)
・水洗いを行った場合は、ドライクリーニングよりも脂分(ラノリン)は抜けないですが、クタッとした仕上りになります。(水洗いの方法や状況により、フェルト状や毛羽立ちがでる場合があります。)
・洗濯(洗い、脱水、すすぎ、乾燥など)は、他の衣類と一緒にしないでください。絡まって伸びたり、型崩れの原因になります。
※上記の内容を確認した上で水洗い(手洗い)を行ってください。
●カウチンセーターの水洗い・・・
【1】カウチンセーターが入る大きなバケツやタライに水を入れます。体温、室温以下の水(30℃がベスト)を使用し、お湯は使わないでください。逆に20度以下の冷水は洗剤が溶けにくく、さらに皮脂などの汚れは低温になるほど落ちにくくなるので注意してください。また、最初から最後まで同じ温度の水で洗うことも大切なポイントです。大きなバケツやタライがない場合は、洗濯機の洗濯槽やお風呂の浴槽を代用してください。
【2】ウール&カシミアシャンプーまたは、ニットも洗えるお洒落着用洗剤(ホームクリーニング洗剤、中性洗剤)で洗濯液を作ります。
◎画像の洗剤はドライクリーニングでしか洗えなかったウールやカシミヤなどの毛織物素材用の洗剤です。毛糸に含まれる天然成分を保護しながら、汚れをしっかり落とします。香りはウール・カシミアの保護効果があるシダーウッドに、パインニードルオイル、スパイス、レモンが配合され、もちろん手洗いにもご使用いただけます。
【3】カウチンセーターを裏返して入れ、洗剤を馴染ませるように優しく押し洗いしてください。押し洗いといっても浮いてくるセーターを押すような感じで、洗濯液が毛糸の編み目を通る程度です。揉んだり擦ったりすると毛糸が縮む(フェルト収縮)ので十分に注意してください。
補足ですがセーターなどのニット製品を洗濯機で洗濯する場合は、セーターをきれいに畳んで洗濯ネットへ入れ、さらに洗濯ネットの上からバンド等で縛り、洗濯ネットの中でセーターが動かないようにして最後まで畳んだ形を保つことが、セーターの縮みや形崩れを防止するポイントとなります。
【4】洗濯液に20分~30分くらい浸け込みます。汚れが酷い場合でなければ、長時間の浸け置きは避けてください。
【5】脱水前に10回程度かるく押し洗いして下さい。水が黒く濁っていると思いますが、汚れよりも羊毛に含まれる脂分(ラノリン)が抜けている場合が多いので、押し洗いはやり過ぎないようにしてください。
【6】洗濯機で1分脱水します。1分を一気に脱水した場合、水が抜けきらずボトボト垂れることがあります。30秒で脱水機を止めて、脱水機の中のセーターの形を変えて残り30秒脱水をすれば、水がボトボトと垂れにくくなります。
【7】きれいな水に1分くらい浸けたあと、10回程度かるく押し洗いして下さい。【6】【7】を2、3回繰り返します。
【8】最後のすすぎのときに、スプーン1杯のラノリンオイル(オリーブオイル代用可)を入れます。水洗いで本来羊毛が持つラノリンが幾らか抜けてしまっているので、防水効果を保つためです。古着などで臭いが酷かった場合は、臭い消しとしてアロマオイル数滴を入れると効果的です。
◎画像が市販の液状ラノリンです。ラノリンは羊毛の繊維から抽出される天然オイルで、英語では「wool wax」「wool grease」とも呼ばれる羊毛脂です。私たち人間の自然な皮脂の状態に非常に近く、人の肌に優しく様々な効能があることで知られています。そのため化粧品や医薬品の成分として使われています。羊の皮脂腺から分泌されるラノリンには、雨や湿気を羊毛の中に閉じ込めて保護する役割があり、厳しい環境下で羊たちを守っています。
【9】乾燥は、乾燥機使用厳禁です。裏返したカウチンセーターは表に戻し、ボタンやジッパーを閉め形を整え、セーター干し用ネットや平干し専用ネットの上に平置きして陰干ししてください。専用ネットがない場合は、お風呂のふたにバスタオルを敷いてその上で平らにして干してください。できればタオルの下に隙間を作ると良いです。
【10】乾いたら保管です。毛玉ができた場合は引っ張らず、ハサミで切るようにしてください。ハンガーに吊るすとセーターの重みで伸びてしまうので、平らな場所に畳んで保管するのがベストです。
●なぜ毛糸は水洗いすると縮むのか・・・
羊毛の表面はギザギザのウロコ状になっています。キューティクルのようなものです。これをスケールといい乾燥している状態では閉じていますが、水につけると人間の髪の毛と同じように膨潤して開きます。開いた状態で揉んだり擦ったりするとスケール同士がからみ合い、フェルト状になって硬くなったり縮んだりします。これがフェルト収縮です。また、水の温度を急に変えることも強い力をかけたのと同じでフェルト収縮を起こします。そのため、最初から最後まで同じ温度の水で洗うことを心がけてください。
●上手に洗濯(水洗い)するポイントは・・・
◎熱くも冷たくもなく、皮脂汚れも落ちやすく、洗剤がよく溶ける30℃の水で洗う。
◎気温、水温に影響されるため、手洗いがし易い、5月、10月に行うのがベスト。
◎水に浸けた状態で、強く揉まない、擦らない。
◎最後のすすぎで、スプーン1杯のラノリンオイル(オリーブオイル代用可)を入れる。
◎乾燥は乾燥機使用厳禁で、ボタンやジッパーを閉め、平置き陰干し。
●保管方法は・・・
保管方法は通常のセーター、ニットと同じと思っていただければ大丈夫ですが、羊毛(ウール)は、虫が食いやすいので必ず防虫剤を使用して保管してください。
ハンガーに吊るすとセーターの重みで伸びてしまうので、平らな場所に畳んで保管してください。
カウチンセーターの毛糸には、羊毛が本来持つ羊毛脂を幾分含んでいるので、長期保管する場合は他の衣類とは別にしてカウチンセーターのみで保管してください。
また、必要に応じて、防臭・防カビ剤を配合している除湿剤を使用するのがベストかと思います。